土木向け「バイオハクリX」「バイオハクリX-WB」

塗装橋におきまして、当時新設時及び補修等の際に塗られた旧塗膜には、PCB、鉛、クロム、タール等の有害物質が含まれているものが多く存在し、はく離作業時に発生する粉じんによる作業者の健康障害も報告されました。
この「バイオハクリ」は旧塗膜を湿潤化して剥がす為、塗膜の有害物質の拡散や多量の廃棄物・騒音の発生を最小限に抑える塗膜除去方法となります。
また、水系の「バイオハクリX-WB」は消防法上非危険物であり、そのはく離性能は「バイオハクリX」と同等もしくはそれ以上となっております。

特徴

特徴 1

積層塗装塗膜の深部まで浸透

 
 

バイオハクリ塗布後、塗り重ねられた塗膜の深部まで有効成分が浸透します

特徴 2

塗膜を軟化・膨潤させ、付着力を低下

 
 

有効成分が浸透した後、軟化・膨潤状態となった塗膜を刃付スクレーパー、皮スキ及び電動工具の併用により、湿潤シート状にはく離除去・回収が可能です。湿潤化する為、有害物質等が含まれる塗膜の飛散を防ぐことが可能となります。

特徴 3

「有機溶剤中毒予防規則」非該当品

 
 

水系の「バイオハクリX-WB」、生分解性の高いアルコール型「バイオハクリX」共に
労働安全衛生法上の有機溶剤中毒予防規則に非該当品です。
特に水系タイプのバイオハクリX-WBは消防法上、非危険物として取扱いが可能です。

関係法規制等
バイオハクリX
・消防法:指定可燃物(可燃性固体類) 指定数量:3,000Kg
・RTR法:非該当
・廃棄物処理法(廃掃法):産業廃棄物
・有機溶剤中毒予防規則:非該当
・特定化学物質障害予防規則:非該当

バイオハクリX-WB
・消防法:非危険物
・PRTR法:非該当
・廃棄物処理法(廃掃法):産業廃棄物
・有機溶剤中毒予防規則:非該当
・特定化学物質障害予防規則:非該当

特徴 4

施工性良好

 
 

従来の塩素系溶剤や溶解力の高い塗膜を溶かすタイプではない為、作業環境及び作業者の健康への影響が軽減されます。また、塗付→軟化・膨潤→はく離までの養生時間(24以上)が長い為、大面積への施工が可能です。

特徴 5

刷毛、ローラー、スプレー塗付が可能

 
 

粘度が高い為、垂れにくく、エアレススプレーでの塗付が可能です。

特徴 6

交通規制の緩和・地域住民への負担が軽減

 
 

ブラスト工法と比べ、大がかりな設備を必要とせず、交通規制の制約を軽減します。また、ブラスト時の騒音が発生しない為、地域住民への負担を抑えることができます。

特徴 7

廃棄物量の低減=産業廃棄物処理費の削減が可能(ブラスト工法比) 

 
 

ブラストの際に使用する副資材が廃棄物として発生しない為、廃棄物量の大幅な削減が可能となります。この為廃棄物の処理費用も大幅に削減することが可能です。

【試算の条件】(100㎡当たり)

対象物:昭和40年以降製造の鈑桁橋梁
対象塗装系:A塗装系(フタル酸)、B塗装系(塩化ゴム系)
対象塗膜厚:500μm程度(塗装塗替え歴:3回)
素地調整:素地調整程度2種以上
産業廃棄物:特別管理産業廃棄物(塗膜中に、鉛・クロムなどの有害物質が含有しているものとした)
バイオハクリ塗付量:1.07kg/㎡/回(塗付時のロス率7%含む)

【試算内訳】

  • ・1,000㎡以上(1,000㎡以下は20%増し)
  • ・元請諸経費は含みません
  • ・従来型塗膜はく離剤 :900円/kg(円時計塗膜はく離剤)
  • ・バイオハクリ :2,400円/kg
  • ・基準労務費 :

    国土交通省平成25年度
    公共工事労務単価(東京都)準拠B
    27,600円/日(橋りょう世話役)
    24,900円/日(橋りょう塗装工)
    17,200円/日(普通作業員)

  • ・ブラスト労務費 :業者聞き取り
  • ・ガーネット :70円/kg
  • ・産業廃棄物処理コスト :400円/kg (特別管理産業廃棄物処理/運搬費含む)

※仮設足場(板張防護工・板張両朝顔/シート養生)費用は含みません。
※対象物件毎に、事前試験をおこないバイオハクリの適正を確認してください。
 事前試験結果に基づき積算をおこなってください。
※PCBを含む塗膜は、安全管理および産業廃棄物の取り扱いが異なるため別途積算が必要です。
※産業廃棄物分析日は含みません。

用途

高速道路、国道、一般道、鉄道等の塗装構造物(橋梁、橋脚、その他)

性能

平成26年5月30日 厚生労働省 労働基準局 安全衛生部 基安労発0530 第2号 基安化発0530 第2号
鉛等有害物を含有する塗料の剥離やかき落とし作業における労働者の健康障害防止について「剥離作業:湿潤化」準拠品

バイオハクリX工法 適用適否

軟化しやすい塗膜

  • 長ばく型エッチングプライマー
  • 鉛系さび止めペイント
  • フェノール樹脂MIO塗料
  • エポキシ樹脂MIO塗料
  • 長油性フタル酸樹脂塗料
  • 塩化ゴム系塗料
  • 変性エポキシ樹脂塗料
  • タールエポキシ樹脂塗料

軟化しにくい塗膜

  • 鉛丹さび止めペイント
  • 有機クリッチペイント
  • エポキシ樹脂塗料
  • ウレタン樹脂塗料
  • ふっ素樹脂塗料
  • 超厚膜形エポキシ樹脂塗料

軟化しない塗膜

  • 無機ジンクリッチプライマー
  • 無機ジンクリッチペイント
  • 無溶剤形変性エポキシ樹脂塗料
  • ガラスフレーク入り塗料

その他

  • さび、ミルスケール(黒皮)は除去できません

バイオハクリX-WB工法 適用適否

軟化しやすい塗膜

  • 長ばく型エッチングプライマー
  • 鉛系さび止めペイント
  • フェノール樹脂MIO塗料
  • エポキシ樹脂MIO塗料
  • 長油性フタル酸樹脂塗料
  • 塩化ゴム系塗料
  • タールエポキシ樹脂塗料
  • 有機ジンクリッチペイント
  • エポキシ樹脂塗料
  • 変性エポキシ樹脂塗料

軟化しにくい塗膜

  • 鉛丹さび止めペイント※
  • ウレタン樹脂塗料
  • ふっ素樹脂塗料
  • 超厚膜形エポキシ樹脂塗料

軟化しない塗膜

  • 無機ジンクリッチプライマー
  • 無機ジンクリッチペイント
  • 無溶剤形塗料
  • ガラスフレーク入り塗料

その他

  • さび、ミルスケール(黒皮)は除去できません

※特に黒皮鋼板(ミススケール)面上に直接「鉛丹さび止めペイント」が塗装されている場合、塗膜がはく離できない場合があります。

標準塗付量

標準塗付量 1.0kg/㎡/回
残存塗膜厚への塗付量(目安)

標準施工条件

鋼道路橋塗装仕様 気温湿度 はく離可能膜厚 軟化膨潤時間
(目安)
A.aフタル酸仕様 5℃以上
85%以下
500μm/回 18時間以上
B.b塩化ゴム系仕様
C.cポリウレタン仕様
ふっ素仕様
24時間以上
D.dタールエポキシ仕様

はく離作業の流れ

使用前に必ず事前試験をおこない、バイオハクリの適正条件を確認してから施工をおこなってください。

事前調査・試験施工

塗膜はく離剤の塗付量は、対象塗膜の「種類、塗膜厚」および「施工時の気温」等により、適性塗付量が異なるため、事前に施工試験を行い「適性塗付量、塗膜軟化反応時間、工程数、等」を確認する必要がある。

足場架設・養生

塗膜はく離剤の飛散 および 塗膜はく離対象部位以外の付着防止のため養生を行う。

バイオハクリ塗付

十分に攪拌した後、事前試験結果から得た、適性塗付量を塗付する。

塗膜軟化反応時間

既存塗膜と下地の界面まで塗膜はく離を浸透させる。はく離剤塗付後、塗膜が軟化・膨潤するまで放置する。

軟化膨潤状態の確認

軟化膨潤中の塗膜に対し、カッターナイフ、皮スキ等で一部分をめくり塗膜が剥離出来る状態であるかを確認する。

塗膜除去

塗膜が十分に軟化・膨潤した事を確認した後、手工具(刃付スクレーパー、皮スキ 等)、超音波はく離機で、軟化膨潤した塗膜を除去する。

はく離除去塗膜の回収

回収した塗膜および養生マスカー等は、産業廃棄物処理法に準じて処理する。

塗膜除去完了

素地調整

【素地調整】
当事者間にて協議のうえ、塗装する塗料に適した素地調整を実施して下さい。

当社では材料の販売だけではなく、はく離性能の適正・条件を見極める為に事前にはく離試験を実施しております。
はく離試験のご依頼・その他お問合せ等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

その他 注意点

バイオハクリ工法 注意事項

【使用上の注意事項】

  1. 必ず使用前に事前調査を行いバイオハクリ工法の適性条件を確認後、本施工をおこなってください。
    既存塗膜の種類、膜厚、構成、劣化程度、気象条件などにより施工条件が異なります。
    施工条件:塗付量、塗付回数、浸透軟化時間、塗膜除去程度(残存塗膜の有無および種類)など
  2. 気温5℃以下湿度85%以上の場合は施工をしないでください。
    ・気温10℃以下の場合、塗膜への浸透性は著しく遅延します。
  3. 使用前に電動撹拌機で十分撹拌してから使用してください。
  4. バイオハクリは無希釈で使用してください.
  5. 結露面、水分、鳥糞、泥、苔、浮いた塗膜、さび面には塗付しないでください。
  6. 塗膜はく離対象部以外の箇所は適切な養生をおこない、飛散防止、逸散防止、防護対策をおこなってください
    ・推奨養生材質:ポリエステル、ポリプ口ピレン、PET ( Polyethylene terephthalate)、ナイロン
  7. 塗膜はく離作業時に使用する工具が入らない狭隘部などには塗付しないでください。
  8. 施工器具の洗浄は、バイオハクリX:ミネラルスピリット(ミネラルターベン塗料用シンナー) バイオハクリX-WB:アセトン、IPA をご使用ください。
  9. 容器は密栓し、直射日光のあたらない涼しい場所に保管してください。

【取り扱い上の注意事項】

  1. 使用前に必ず安全データシート(SDS)をお読みください。
  2. 安全管理は、関係法令を遵守し労働災害防止に努めてください。
  3. 有機溶剤を使用しているため、火気類との接触を避けてください。
    ・火災発生時に初期消火がおこなえるよう、炭酸ガス、泡または粉末消火器を設置してください。
    ・防爆タイプの機器を使用してください。(照明機器:省電力充電式LED照明など)
  4. 厚生労働省「労働安全衛生法有機溶剤中毒予防規則」に準じる作業保護具を着用して作業をおこなってください。
    ・有機溶剤を含有していますので、作業中は換気を十分におこない、蒸発成分を吸引しないようにしてください。
    ・特に塗付後の翌朝は作業場内に揮発成分が滞留している場合があるため十分注意してください。
  5. 有害物を含有する塗料のはく離やかき落とし作業時は、電動ファン付呼吸用保護具(防じん・防毒)または送気マスク、および防護衣(日本工業規格「化学防護服規格番号JIST 8115:2010」)を着用してください。

【安全衛生上の注意事項】

  1. 使用前に必ず安全データシート(SDS)をお読みください。
  2. 下記の症状がある場合、すみやかに医師の診察を受けてください。
    ①皮膚に付着し、体調に変化がある場合
    ②揮発成分を吸い込んで気分が悪くなり、体調に変化がある場合
    ③目に入り、体調に変化がある場合
    ④誤って飲み込んだ後、体調に変化がある場合
    補足:皮膚への刺激性が少ないため付着してもすぐに気がつかない場合があるので注意してください。
    皮膚に付着後放置した場合に起こりうる症状:皮膚のかぶれ、あかみ、皮膚のめくれ
    作業衣に付着した場合、洗剤でよく洗い流してください。

【関係法規制等】(製品単体)

 バイオハクリX

  1. 消防法:指定可燃物(可燃性固体類) 指定数量: 3,000kg
  2. PRTR法:非該当
  3. 廃棄物処理法(廃掃法):産業廃棄物
  4. 有機溶剤中毒予防規則:非該当
  5. 特定化学物質障害予防規則:非該当

 バイオハクリX-WB

  1. 消防法: 非危険物
  2. PRTR法:非該当
  3. 廃棄物処理法(廃掃法):産業廃棄物
  4. 有機溶剤中毒予防規則:非該当
  5. 特定化学物質障害予防規則:非該当

建築向け「バイオハクリ」

バイオハクリは高級アルコール系溶剤を主成分とし、塗付後は塗膜の最下層まで浸透し湿潤化し、
下地との界面を軟化させ、1度ではく離する事が可能です。
また、ペースト状である為作業性が良好で、塗付からはく離までの時間幅を長く取る事ができる為、
工期に融通が利き大面積にも施工が可能です。

どうぞ、お気軽にお問合せ下さい。

東日本エリア担当

03-5202-7163

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